11月投稿選出作品その1 (お題目:氷雨)
題名 氷雨   投稿者 氷村榊さん
投稿者コメント 最高です・・・!!

 遠来未来
 創天
冷たい冷たい 氷の雨の下に立っていた

どうしてこんなに思い出はやさしいのだろう
貫かれた心の傷口から流れる血は こんなにも暖かい
失うばかりの心を包んで 氷雨が赤を彩った

冷たい冷たい 氷の雨の下に立っていた

かつての古巣
ここで笑っていたはずの僕らは どこにいった?
輝きながら降りてくる氷の粒は 思い出の涙かい?

冷たい冷たい 氷の雨の下に立っていた

あの時確かに見たはずの夢が もう見えない
足は前へ進むため 手はとっかかりをつかむためにあったのに
凍えた足も手も もう 動いてくれない

冷たい冷たい 氷の雨の下に立っていた

凍った涙が 氷雨と混じって散っていった
青い半透明の膜を通して見える僕は 泣き笑いの顔

―さようなら

目を閉じた

再び時間が流れ出す
極限にまで凍っていた想いが粉々に砕けた

残された心を 儚い しかし絶対に消えることのない氷雨の粒に代えて
いつか 誰かが見つけてくれるその日まで
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