あの人は寒いのが嫌いだと言ったそう言って笑うあの人が好きだった
私は小さくそれでいて無限だったけれど世界の中ではなんの力も持っていなかった
すぐにでもあの人に会いたかったけれど。
わずかな風に流されてあの人が嫌いという寒さを引き連れてもどかしい気持ちを抱えながらゆっくりゆっくり、舞い降りた。
いくつもの私が出会い、溶けて、空へと還った。
あの人の肩に触れ、髪に触れ、腕に、足に、指先に触れ、
それでも私の想いに気づくことは決してない。
もしも私に声があったなら、あなたのぬくもりに触れ続けられる体があったなら、
数え切れないほどの冬を越えてあなたに想いを打ち明けられるのに、この運命に背いて・・・
だけれど無限に舞い降りる私の欠片静寂に祈りは掻き消えていくばかり
そしてあなたのとなりで一度前の冬にはいなかった知らない誰かが言った、
雪だね。